ワシは貧乏だからヘンテコなベッドを使っているよ。
今使っているベッドは9,800円で買ってきた『足付きマットレス』というもので、これはその名の通りマットレスにただ脚が付いているだけという、とても簡素なモノなんだ。それでも、買った当初はとても寝心地の良いものでね、気に入っていたよ。でも、1年くらい経った頃から、マットレスの中央の部分がだんだんとヘコみはじめてしまってね、今はというとヘコみにヘコんでスプリングの部分がまるでダメになってしまった。でもね、やっぱり捨てるのはなんとなく忍びないから、だましだましって感じで、なんとか今も買い替えずにそのまま使っているよ。
そんな貧乏暮らしのワシだが、ひとつ、機械類に限ってはこだわりがあってね、けっこう色々な機材を持っているんだよ。人が見たら「貧乏なのに分不相応だ」って言うかもしれないんだけどね。
まあ全部は紹介できないけど、今回は枕元の暇つぶしガジェットについて書いてみようと思うんだ。しばしお付き合いを願いたい。
一つ目はスマホ。とにかく今の時代、スマホがなければ何も始まらないよね。スマホって、ある意味では『貧者のための武具』だと思うんだ。世の中を渡っていく上ではあらゆる場面で必要になるからね。なんとなくだけど、「ペンは剣よりも強し」から「スマホは剣よりも強し」的な何かに段々と時代が移り変わってきてるような気がしてるんだ。それは気のせいではないよね? スマホはさ、もちろん暇つぶし端末としてもめちゃめちゃ優秀だよ。でも、スマホの凄さって、たぶんそれだけじゃない。
二つ目に紹介したいのがラジオ。ワシはラジオに強いこだわりがあってね、アマチュア無線の会社が出してるような高機能な受信専用機を推しているよ。ワシはこれまでももの凄い数のラジオを使い潰してきたんだけどさ、そんなワシが吟味に吟味を重ねた結果、最終的に落ち着いたのがこの本格的な受信専用機だったってワケさ。パッと見ると完全に業務用の無線機みたいな見た目なのがマニアックでしょ?
これ、あまりに高機能過ぎて慣れるまではちょっと扱いにくいけど、一度慣れてしまえば、痒い所に手が届く、魔法の受信機になるんだよ。嘘だと思うなら、一度使ってみてほしいと思うな。(受信専用機だからアマチュア無線の免許は不要だよ!)
三つ目がゲーム機。ワシの場合はプレイステーションポータブルがそれ。「なんでスマホがあるのにわざわざ携帯ゲーム機なんだ?」って思うかもしれないけど、これはね、なんて言うのかな、自分でもよく分からないんだけど、ノスタルジーみたいなものなんだと思う。
スマホのゲームだと、常に最新の攻略情報を追わなきゃいけないから疲れるんだよね。その点、携帯ゲーム機とかさ、特に今は使われなくなったレトロゲーム機みたいな機種だと、そういったストレスがないんだ。ワシのプレイステーションポータブルだけど、これはもう10年以上も前の機種でね、今では中古のゲーム屋さんにでも行かないとソフトとかも手に入らないという状態になってる。もちろんメーカーのサポートも既に一切が終了しているよ。でも、ワシにとってはそこが魅力的なんだな。
で、四つ目に紹介したいのが文庫本。やっぱりスマホやゲーム機ばかりをやってると目が疲れるからね、アナログ的な何かは必要だと思うんだ。ワシにはね、一冊、すごく特別な本があってね。ない? そういう特別な一冊みたいなもの。ワシにとってのそれは、噺家の立川談志師匠の自伝なんだけどさ、これ、自分にとっては座右の書みたいなものだから、常に枕元に置いてあって、手持ち無沙汰な時とかにいつもペラペラめくって見てる。そういえば過去、豪雨の時にこれを避難所に持って行ったことがあったな。雨で紙がブヨブヨにふやけちゃってダメにしちゃったけどさ。今、手元にあるのは何冊目になるんだろうか。でも、そうまでしてでもそばに置いておきたい本なんだよね。
こんなところかな。どうだったかな。これ、ベッド脇の僅かなスペースにあるワシの暇つぶしガジェットなんだけどさ、けっこうワシの人間性が出てるなって書いてて思ったよ。
いろいろ話を省いてしまったところもあったけど、補足をすれば、スマホが完全防水ケースを装備していたりとか、ラジオ受信機のアンテナがカスタムしてあったりとか、プレイステーションポータブルも最初期の頃のモデルを好んで使っているとか、いろいろなこだわりポイントがあるんだよ。文庫本だってサイズがぴったりの革製カバーをわざわざ買ったくらいだからね。
こだわりとか、人間性とか、そういうのが見えるとちょっと面白いでしょ? えっ、どうでもいい?